生前の金融資産の整理は大切
教訓:海外ファンドなどの海外資産をお持ちの方は、生前に現金化にしておきましょう。
生前なら、解約指示書だけでファンドの解約ができるのですが、死亡後の解約は提出する書類はとても多くなります。日本語じゃなくて英語での書類作成になるので、難しい日本語の翻訳作業も大変だし、通常よりも手間がかかります。
今回のお客さまはご家族がいらっしゃらなかったので、甥に全財産を渡すという遺言書を作成されていました。
死亡後の海外ファンド解約は必要書類をすべて翻訳し、認証作業が必要となります。
必要なものとして:
・死亡診断書の翻訳および認証
・遺言書または遺産分割書の翻訳および認証
・遺産分割書に書かれてある相続人のすべての人からパスポートコピー、住所証明書 翻訳および認証
・受益者のパスポートコピー、住所証明書 翻訳および認証
・死亡した人から受益者へのファンドの名義変更
・名義変更後に解約指示書
今回の場合は、遺言書が公正証書で作成されていましたので、遺言執行人がいらっしゃいました。
こういう場合は遺言執行口座という被相続人の口座ができるので、通帳の翻訳および認証も必要になってきます。
今回のケースは遺言書に全ての財産が書いてあるので、細かく捜索する手間が無くて良かったのですが、普通はなんの準備もなくあの世に旅立つ方がほとんどです。
最低でもどこに通帳と印鑑があり、どこの証券会社に口座があり、生命保険の証書はどこに置いてあるのか?
不動産を持っているならば権利書のある場所もきちんと家族に伝えておきましょう。
エンディングノートなどに書いておくのも方法かもしれませんね。
特に海外資産は資金を戻すために、英語での書類作成や、ファンド会社のやり取りが必要なため、相続人が自力でやるには難しいと思います。
できたら死ぬ前に現金化にしておくのが大切だと、今回の相続案件でつくづく思いました。
人はいつ死ぬのか・・・・誰にも分かりませんけどね。